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こちらは腐の付く女子向け専用ブログです。 BL(ボーイズラブ)、同人、二次創作等に嫌悪を抱く方はご遠慮下さい。 「BL,同人、二次創作(以下略)ドンときやがれ!つか、大好物でっす!」という奇特な同士のみご覧閲下さい。

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起きたらワンピ祭りとムト萌え祭り(予定)の森本です。
皆様如何お過ごしですか?

やっと一誕SS上がりました。
粘ったワリにはこんなのかよ!というツッコミがきそうで怖いです。
落ち着いたら、HPにも手直ししてイラスト吐けて上 げ た い な(希望)

ホントはもっと甘くてクッサイのにしたかったんだけど、今の森本にはコレが精一杯(色んなイミで)

そんなワケで続きにSS置きました。
楽しんで下されば幸いです。

「一護」
そう呼ばれて瞳を開くと、一護の視界いっぱいに斬月の顔があった。
「オッサン!」

ゴッ

至近距離に斬月の顔がありすぎたおかげで、一護が勢いよく起き上がった拍子に、一護の額は斬月の顎にきれいなまでのクリティカルヒットをキメた。

「ってぇ~~~」
額を押さえながら一護が顔を上げると、そこには顎を押さえ蹲る斬月の姿があた。
「ゴメン!オッサン!」
「気にするな、一護。驚かせた私が悪かった。」
相当痛かったのだろう。そう言う斬月の目にはうっすらと涙が溜まり、その衝撃の強さを物語っていた。そして斬月の顎はその無精髭の上からでも窺えるほど赤くなっていた。
「お前こそ痛かっただろう。すまない、一護」
不安げに覗き込む一護に、自分は大丈夫だからと意思を示すようにジンジンする顎から手を離し、そのまま一護の柔らかい前髪を掻き揚げ、ぶつけた所に怪我はないかと心配そうに一護の顔を覗き込んだ。
普段は殆ど顔色すら変えない斬月の意外な表情を至近距離で見た一護は、ドキリとしてその額に負けないくらい赤く頬を染めた。
「顔が赤いな。熱でもあるのか?一護」
「い・・いや。熱なんかねえよ。何でもないから!」
自分が赤くなった理由を悟られまいと慌てて斬月の手を払い、そして差し出されていない方の手に小さな花が握られている事に気が付いた。
「オッサン、その花は?」
一護に訊ねられ、自分でも忘れかけていた一護を精神世界に呼んだ理由をやっと思い出した。
「誕生日祝いだ。一護。」
「へ?」
我ながらマヌケな声が出てしまったと思った。
しかしそんな声が出てしまうくらい、斬月の行動は一護の予想を遥かに超越していた。
「お前の住む世界では、誕生日の人間に物を贈るという習慣があるのだろう?」
確かにそんな話を以前斬月にした気がする。
しかし普段人の話を聞いているんだか聞いていないんだか分からない斬月が、そんな他愛のない話を覚えていて、尚且つそのような一般的な風習に乗っかってくるとは思ってもみなかった。
「誕生日おめでとう。しかし、この世界ではこのくらいしかお前に贈れるものはない。すまない・・」
一護に差し出された花を持つ手をよく見れば、そのボロボロのコートの袖口はうっすらと土で汚れ、更に目を足元まで落とすと、ブーツまで薄汚れていた。
このビルだらけの世界に花なんて咲いていたのすら初めて知った。
そして斬月はこの花を見つけるのにどれだけ探したのだろう。
「矢張り気に入らないか・・・」
黙ったまま俯く一護に、斬月は自分が贈ったもので気分を害したと思い差し出した手を降ろそうとした。
「ありがとう。オッサン。」
一護は斬月が降ろそうとした手と花を優しく両手で包み込んだ。
「オッサンのその気持ちがスッゲー嬉しいよ。」
笑顔で斬月を見上げ一護は更に言葉を続けた。
「ただオッサンにおめでとうって言われるだけでも嬉しいのに、誕生日プレゼントまで貰えるなんて。嬉しくないワケねえだろ?」
一護の言葉に救われたかのように、斬月は表情を和らげた。
その斬月の様子にほっとした一護だったが、ハタと重大なことに気が付いた。
「オッサンって、オレが産まれたと同時にこの世界に存在したんだよな?」
「そうだが、それが何だというのだ?一護」
いきなり何を当たり前の事を聞くのかといぶかしむ斬月に、一護は言葉を続けた。
「って事は、オッサンの誕生日もオレと同じ日って事だよな?」
自分でも気付かなかったが、言われてみればそういう事になる。
なるほどと一護の思いつきに感心する斬月をよそに、一護はへなへなとその場にしゃがみ込み頭を抱えた。
「何でそんな単純な事に気が付かなかったんだ?オレのバカッ!」
ブツブツと独り言を吐きながら一人芝居を始める一護の様子を傍観していると、いきなり一護はガバッと立ち上がり斬月の真正面に向き真顔になった。
「ホントに悪いけど、オッサンに贈れるものは何も用意していねえ。でもその代わり、今日一日オッサンの望みを聞いてやる。」
そして慌てて付け足した。
「あっでも、金持ちになりたいとかはナシだからな。オレができる範囲で言ってくれよな。」
一瞬あっけにとられた斬月だったが、その立ち直りの早さと突拍子のない発想がいかにも一護らしくて微笑ましくなり、斬月はクスリと笑った。
「あっ!今笑っただろ!これでも一生懸命考えたんだからな。笑うことねえだろ。」
どうやったら斬月が喜んでくれるだろうかと真剣に悩んで出した申し出を哂われたと思い、一護は少しむくれて口を尖らせぷいとそっぽを向いて呟いた。
「済まない、一護。あまりに突飛だったからつい・・」
勘違いをさせて済まなかった。
機嫌を直してくれと言葉にする代わりに、一護のむくれた顔をその顔がすっぽりと収まる大きな両手で優しく挟み込み、自分の方へ顔を上げさせた。
「私は何もいらない」
「えっ!?何で!?」
まさかそんな答えが返ってくるとは思っていなかった一護は目を見張った。
「その想いだけで私は満足だ。そして今までお前には私の望むものを沢山貰った。これ以上何を望めばいいというのだ?一護。」
そう語る斬月の瞳は真剣で、嘘を吐いているとは思えない。
でも、何か望むものがあるはずだと自らも考えてみる。
一護は過去、斬月と会った時の記憶を引きずり出しそこに何かヒントはないかと思いを巡らした。

斬月の望むもの
この世界に独りで存在して、自分の心次第で移ろう天気。
以前ここに自分が訪れた時、斬月は何か言っていなかっただろうか・・・。

そしてやっと思い出した。
一番大切で未だに成し遂げていない斬月の望みを
とても単純でとても難しい望み

「オッサンのプレゼント決まったよ」
一護は斬月を真っ直ぐ見つめ、更に言葉を続けた。
「この世界に雨を降らせない。今はずっと降らせなでいる自信はないから、今日一日は絶対雨は降らせない!そして今日の残り全部、オッサンの側にいる!」
誰が何と言おうと譲らない意思の固さで一護は言った。
斬月はいきなり口に手を当てくるりと一護に背を向けた。
「え!?気持ち悪くなるくらいオレのプレゼントが気に入らなかったのか!?」
そんな斬月の態度に一護は、そこまで自分の案が気に入らなかったのかと不安になった。
「そうだよな!別にオレがいなくったっていいもんな!」
それでも何も言わずに微動だにしない斬月に一護は少し苛立ちを覚え、声を荒げた。
「ちょっとは何か言えよ。オッサン!」
痺れを切らした一護が斬月の正面へ回り込むと、そこには顔を赤く染めた斬月の顔があった。

一護はそのまま斬月に抱きついた。



END           

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